天然自然の理に沿って生きる

この世の中は、天然自然の理の働きで統べられています。
人は、自然の理に逆らうと苦労しますが、その理に沿うと楽に暮らせます。
シベリアから鹿児島の出水にやってきて越冬する鶴たちは、上空のジェット気流に乗って、3千キロの距離を移動します。
シベリアは、極寒の地なので、そこで越冬するのは厳しいので、温かい日本にやってくるのです。
でも、自力で日本までの長距離を飛行しようとすると、体力が持ちません。
そこで、ジェット気流に乗って、やってくるのです。
時速300キロの新幹線並みの速さのジェット気流に乗ると、翼を広げているだけで、あっという間に日本についてしまいます。
人が海に放り出された時、もがけばもがくほど、体は沈んでしまいます。
しかし、全身の力を抜いて、横になると、人の体は自然に海に浮かびます。
大きな海では無駄な力を抜いて、横たわるだけで、海が人を支えてくれるのです。

人の暮らしも、自力だけで生きようとするととても苦労します。
もがき苦しんで、どんなに一生懸命努力しても、楽にならない。
自分の知恵、能力、力で生きようとしても、人生航路は大きすぎて生きていけない。
だけど、自然の風に帆を張ると、帆船が楽に前に進みます。
人の暮らしも、自然の流れに逆らわず、力を抜いて生きると、楽になります。

人は目に見える世界だけで生きようとすると行き詰ります。
しかし、目に見えない世界を感じながら生きると、楽に生きれます。
お陰様で生きるというのは、目に見えない世界の働きを受け入れることです。
一膳の食事にも、目に見えない天地の働きと人の働きがあります。
「お陰様で有難うございます」と感謝すると、陰から守ってもらえます。
それは、荒唐無稽な話ではなく、実感としてお陰様の働きを感じるからです。

運がいい人は、お陰様の働きを頂いて、自力ではできないことができます。
時の巡り合わせ、場の巡り合わせ、人との巡り合わせ、ご縁は人知を超えています。
もし、あの時、あの人と出会っていなかったら、いまの幸せな自分はないということがあります。
逆に、もしあの時、あの場所に行かなかったら、あんな不幸な出来事にあわなかったということがあります。
目に見える世界では分からない、陰の働きがそこにあります。
「お陰様で有難うございます」という言葉は、「大いなる存在」の働きを感じて出る言葉です。
陰の働きを味方につけると、どんどん幸運に恵まれます。
余分な力を抜いて、「大いなる存在」の働きに身をゆだねて、自然体で生きる方が幸せです。