「お陰様で有難うございます」と、大いなる存在に感謝すると、不思議なことが起こります。
2019年6月7日みつばちラジオに出演された、工藤房美さんという熊本市内在住の方がおられます。
工藤さんは、48才の時に突然子宮頸がんが発症し、肺、肝臓、骨盤へと転移し、医師に余命1ヶ月と宣告されました。
それまで、3人の息子さんの子育てに追われ、朝から晩まで仕事と家庭で働きづくめで、病院にいく暇もないくらい忙しかった工藤さんにとって、晴天の霹靂でした。
工藤さんは、病室のベッドに横たわり白い天井をじっとみつめながら、それまでの当り前の日常が突如消えてしまい、もうすぐ自分はこの世界にはいなくなることへの深い絶望と不安に襲われる日が続きました。
家族との食卓、掃除、洗濯、仕事、当たり前の日常がすべて消えてしまう。
子供たちの顔が見れるのもあとわずか、生きていることは、当たり前ではないという衝撃が心を覆いました。
そして、悲しみの中で、家族一人一人に遺書を書きました。
そんなある日、息子さんの担任の先生がお見舞いに来て、一冊の本を置いて行かれました。
タイトルは『生命の暗号』という、筑波大学名誉教授の村上和雄先生の書かれた本でした。
村上先生は、世界で初めて高血圧の原因とされるヒトレニン細胞の全暗号を解読された生命科学の権威者でした。
そこに書かれていたのは、人体の精密な設計図はわずか数ミクロンの遺伝子の中に書かれていて、細胞はその遺伝子通りに新陳代謝を繰り返し人体と人生を作り上げている。
現代科学は、極微の人体の設計図を解読することができた。それは偉大な人類の発見である。
しかし同時に、精密な遺伝子の暗号を書き込んだ存在がいなければ、遺伝子そのものがこの世には存在していない。一体だれがそれを書いたのか?
この世に生息する動植物一切の生命の暗号を書いた偉大なる存在(サムシンググレート)。
それは、生命原理の根源的なもので、時に人はそれを神様といい仏様といってきたが、ともかく私たちの命をこの世に生かしている存在があるはずだ。
私たちは、生きているのではなく、実はそのサムシンググレートから生かされているのだ、という文脈でした。
工藤さんは、衝撃を受けました。
「生きているのではなく、生かされている」
この言葉が、頭の中でずっとこだまして、感激と感謝の喜びの涙が一晩中止まりませんでした。
その日を境に、工藤さんの考え方は180度変わりました。
命が48年で終わる悲しみではなく、48年も命を生かしていただいた感謝に心が満たされ、それが日増しに強くなりました。
抗がん剤治療により、髪の毛がバサッと床に落ちて、髪の毛を拾い上げながら「今まで私のために頑張ってくれて有難う」と、一本一本の髪の毛に感謝しながら10万回繰り返したといいます。
検診の日、医師が工藤さんの診てみると、がん細胞がすべて消えていました。
医師は、びっくりして何度も検診をやり直してましたが、何度診てもがん細胞は発見できませんでした。
こんなことはあり得ないと医師は首をかしげていたそうです。
「お陰様で有難うございます」という言葉は、私たちの命を陰で支えて下さっている大いなる存在のお働きに対する感謝の言葉です。
大いなる存在へ感謝すると奇跡がおきます。それは、私たちの生命そのものを生かして下さっている大いなる存在と心が通じるからです。
大いなる存在と心が通じると、私たちはこの世で、安心して暮らしていけます。
工藤さんは、その後熊本からつくば市の村上和雄先生のご自宅へお礼をいいにと行かれましたが、その時に村上先生は大変に喜ばれ、「あなたが体験したことを、あなたと同じように苦しんでいる多くの人たちへ教えてください」といわれ、その通りに工藤さんは60歳を超えた現在も日本中で自分の体験を講演して回っておられます。
このお話をみつばちラジオで放送したら、多くの方から反響がありました。
皆さんの、ご参考になればと思い、ご著書をリンクをはっておきます。
「ありがとう」100万回の奇跡